2 / 132
第0話
高校から今まで、7年間片思いしてた親友が結婚した。アイツは強烈な記憶を残して、あっさりと俺の隣から去って行った。
俺はまだ、あの時から深い沼に足を取られ、動けないでいるというのに……
―――――
きっかけは、良くある高校生のお遊びの合コンだった。元々男を好きになるなんて選択肢、俺には存在しない。いつも通り、可愛くてスタイルが良くて料理上手な女の子と適当にそれなりに付き合って、お互い飽きてきた頃に別れる。
つもりだった。
「よーし!お待ちかね、王様ゲーム!」
話のネタが無くなってきた頃に、幹事の男が立ち上がった。その場にいた全員が待ってましたとばかりに拍手。酒も入ってないのに、一気に空気が盛り上がった。
「せーの、王様だ〜れだ!」
「あ、私だ〜!」
茶色くて長い髪をクルクル巻いた、この中で一番可愛い女の子が手を挙げた。お題はやっぱり、定番中の定番。
「じゃあ、無難だけど2番が4番に熱烈なあま〜いキス!」
「ヒュ〜!いいね〜!」
「誰だよ2番と4番!」
初っ端キスかぁ。しかも熱烈なあま〜いってなんだよそれ。曖昧すぎんだろ。さすが夢見る乙女?
こういうノリがあまり好きではない俺は、内心悪態付きながら手元の番号を見る。
4番…てことは、俺がキスされる側か。
「俺4番。」
「ヒュ〜!羨ましいねぇイケメンクン〜!」
「2番はだれ〜?」
ともだちにシェアしよう!