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第14話
週末は馴染みのバーに通うのが日課。
昨日まで仕事で出張に出ており、ここへ来るのは久々。出張で離れる事や、次に来る時にはお土産を渡す事を伝えていたので、約束通り手土産付きだ。
「ますたぁなんか酒〜」
「飲み過ぎよ。」
駅から歩いて5分のところにある『BAR 404』の扉を開ける。開けてすぐの地下に続く短い階段を降りて行くと、カウンターで接客をしているマスターに手招きされた。マスターはカウンターに突っ伏した男を介抱しているようだった。
「あ、ほら。彼来たから、ちゅうしてもらいな。」
「なに、マスター。知らない間に俺この子とキスする事になってんの?」
一先ず男の隣に腰を落ち着け、二タニタ笑うマスターに怪訝な眼差しを贈る。そう言えば、と手にしていたお土産を渡し、軽めの酒を一杯頼んだ。
「この子、元々ノンケなんだけどね、酷い男にハマって今日その男の結婚式だったの。慰めてあげてよ、そういうの上手いでしょ?」
「やだな、俺は紳士だから。ちゃんと気に入った子にしか手は出さないよ?」
「あら、守備範囲バリ広なのね〜」
絶賛失恋中だと言う男。
慰めろ、って…女々しくすぐ泣いてしまう感じの子はタイプじゃないんだけど。
観察するように目をやっていると、突然男がムクリと顔を上げた。
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