26 / 132
第18話
「ふう…結構大荷物になっちゃったね。」
「隆明さん、必要ない物まで買いすぎなんですよ。意外と浪費家なんですね。」
「そうかな?全部、君を泊めるためには必要な物だよ。」
「もう、またすぐそう言うこと…」
あられもなく泣き出してしまい、隆明さんに宥められた俺は、泣いた事で心がスッキリしたのか、先ほどまでのモヤモヤは姿を消していた。
買い物を済ませて一旦車に戻ろうか、と言う隆明さんを追いかけた。身長が違えば足の長さも違うわけで、チビな俺は斜め後ろをキープするのに必死だった。そんな俺が面白いのか何なのか、隆明さんはずっとご機嫌に見えた。
「俺専用のクッションとかバスタオルとか、わざわざ買わなくても今あるので困りませんよ〜」
「必要なくたって、君に何かをしてあげたと言うだけで嬉しいんだ。君は黙って与えられてれば良いんだよ。」
隆明さんは、俺がしたくてしてる事だから、と俺に支払いの権限を与えてくれなかった。その上ポンポンなんでもカゴに入れてしまうから、これがお金持ちの買い物の仕方なのか…と震えていた。
「どうする?このままここでご飯でも良いし、どこかお店探しても良いし、それとも家で何か作ろうか?食べたい物があればリクエストも聞くよ。」
「え?隆明さん、料理するんですか?」
「君、たまに失礼だよね。」
ごめんなさい!と謝ると、隆明さんは気にしてないと言う。結局隆明さんが腕を奮いたいからと、そのまま帰宅する事になった。
だって、極々一般庶民な俺は、お金持ちの人は皆シェフとかお手伝いさんとか雇ってるもんだとばかり―
ともだちにシェアしよう!