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第34話

 「……ん、」  目が覚めたのは昼、ふて寝から2時間と少し。 何となくすぐに携帯を見る勇気が出ず、タイマーで切れていた暖房を入れて、テレビを付けてみる。体を動かすと、途端に空腹を感じて、昼ご飯何にしよう、と考える。  「……確認、してから作ろうかな。」  流石にもう、お昼の誘いのメールが来ているかもしれない。もしかしたら着信かもしれない。応答が無く、心配して家まで来てくれているかもしれない。  期待してはいけない、外れた時が辛いんだから、と言い聞かせるが、やっぱり会いたくて堪らないから。  「………ない…、……」  あ〜あ、俺に誘いのメールを送る勇気があれば、こんなにモヤモヤしないのかな。 思えば、隆明さんからメールや電話がなければ、この関係は途端に終わってしまう脆い物だった。 俺からメールを送ってしまえば、それはもうセフレで良いですと言っているような気がして。隆明さんが毎週必ず誘ってくれるのを待ってた。  「単に用事があるとかなら、メールくれるよね、……セフレも終わりなのかな……もう会えない?…会いたいよ〜」  初めて喪失感を味わった。あんなに楽しくて幸せだった時間は、こんなにも不確かな物だったなんて。

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