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第311話

片付けを始めたミキに祐一に連絡してみると言い残し、寝室で電話を掛ける事にした。 ミキの前で電話しても良いが、絵美ちゃんとの経緯を説明しないと話が始まらないと思いミキがまた気にすると可哀想だと、片付けをしてる間にある程度祐一に話そうと思ったからだ。 寝室に置きっ放しにしていたスマホを取り祐一に電話した。 ♪♪♪♪~…♪♪♪♪~ 「上手くいくと良いが…」 なかなか出ない電話を片手に呟いた。 「どうした?」 ♪♪♪♪~… やっと出た祐一に悪態をつく。 「寝てたか?それとも最中だったか?」 くっくっくっくっ…… 「そんな事確認する為に、わざわざ電話したんなら切るぞ」 「待て.待て。大事な話がある」 「それなら早く、言え」 「あのな……トリプルデ-トしないか?」 中学生のグループ交際みたいで言うのが恥ずかしい。 「はあ?何、言ってんだ?何で、お前らとトリプルデ-トしなきゃなんねぇ~んだよ」 解るぞ、その祐一の気持ち。 「今、説明するから」 大まかに絵美ちゃんの事.俺が沙織に協力を得た事.その代償にトリプルデ-トになった事を説明した。 「そう言う理由だ」 「理由は解ったが、何で俺達まで巻き込られなきゃなんねぇ~んだよ。勝手にダブルデ-トすりゃ良いだろうが」 言いたい事は解る。 「……祐一。真琴君の女装姿見たくないか?前に見たいってLINEきたよな」 「…………」 無言か、もう一押しだな。 「その条件の1つが、ミキと真琴君が女装してのトリプルデ-トなんだよ。見たくないか?真琴君の女装姿。もう、この機会を逃すと一生見られ無いぞ」 「………それもそうだが」 迷ってるな、祐一の頭の中で計算と妄想してるんだろうな。 「クリスマスの時のミキの女装姿すっげぇ~綺麗だったな~。お陰で外歩いても周りを気にせずイチャイチャ出来たしな。凄え~良かった」 「……………マコに聞いてみる。………俺も1度沙織さんと矢嶋君には会ってみたいと思ってたからな」 何が沙織と矢嶋君に会ってみたいだ、本当は真琴君の女装姿見たい癖に、素直じゃないな~。 「何とか説得してくれ。ミキも真琴君と一緒ならって沙織に言ってるしな」 「解った。30分後に連絡する」 「頼む」 電話を切ってスマホを持ち寝室を出た。 ソファを背にラグに座ってテレビを見ていたミキに声を掛け、背後から抱きしめる。 「今、祐一に連絡した」 「どうでした?」 「祐一が真琴君を説得してくれるらしい。30分後位に連絡くれる事になった」 「そうですか。マコ、どうかな?」 「ま、祐一に任せておけば良い。恋人の頼みは聞くだろう」 「そうだと良いけど」 「ま、ここで言ってても仕方無い。取り敢えず、祐一の連絡待とう」 「そうですね。沙織さん、どこにデ-ト行くつもりなのかな?」 「解ねぇ~な」 「デ-トの定番は映画?.水族館?.遊園地?かな。 動物園は無いよね?DLなら、この間ランド行ったから今度はシ-がいいなぁ~」 勘弁してくれ。 DLは、混み方が半端じゃない、待ち疲れする。 「さあな。沙織の事だ、自分が行きたい所に行くんだろうな」 「そうかな~。だったら、近場で浅草からスカイツリーに行くとか?」 浅草からスカイツリーか~、それなら混んでても待ち時間が無いな。 わざわざ近場でトリプルデ-トは無いだろう、それなら今度、ミキと行ってみるか。 「近場は無いだろう、たぶん」 「そっか~」 そんな話をしてるとアッと言う間に30分は過ぎていた 「そろそろ連絡あっても良い頃だな?」 「マコ、やっぱり嫌だってゴネてるのかな~。俺だったら嫌だもん」 「真琴君が女装し無いなら、ミキの女装も何とか沙織に頼んでみる」 「伊織さん……ありがとう。でも、今度は沙織さんが……買物してまで楽しみにしてるのに…」 優しいな、ミキは。 「あいつの場合は、単にミキと真琴君を着飾りたいだけだろう?」 「ん……。そうかも知れないけど……俺の為に協力してくれた沙織さんをガッカリさせるのも……」 「じゃあ、真琴君がダメでもミキだけしてやるんだな」 「そんな~。伊織さん、冷たい」 いじけるミキの頭をぽんぽんしてやり 「ま、祐一に任せたんだから、何とかしてくれるだろう」 「……はい」 「そういじけるな。今、考えても仕方無い事だ。ほら、顔を向けろ」 振り向かせた顔にチュッと軽いキスをする。 「少しは、元気になったか?」 恥ずかしそうに照れて上目遣いで小声で話す。 「……足りない」 可愛い~、何でこんなに可愛いんだ? チュッ.チュッ.チュッ………チュッ 顔中にキスの嵐。 「足りたか?」 「ん~、充分」 破顔された笑顔が可愛いく。 「俺は、まだ足りない」 咥内に舌を入れようとした時に、テ-ブルの乗せていたスマホが鳴った。 ♪♪♪♪~……♪♪♪♪〜… 鳴り響くスマホを放っといて、そのままミキの咥内に舌を入れ絡ませクチュ.クチュ.クチュ……音をさせる。 腕を叩かれ唇を離すと、ミキが「電話! 電話」とスマホを持ち俺の目の前に出す。 「祐一だろ?後で、掛け直せば良い」 続きをしようと顔を近づけると、ミキの手で顔を抑えられた。 「出ないと、こっちがお願いしてるんですから」 「ったく。タイミング悪い奴」 悪態をついて、鳴り続くスマホを受け取り電話に出た

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