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第313話
後、1カ月程で新色籠バックを納品予定だ。
基本の工程は出来てるし、それ程こちらサイドは大変な事は無いが、工場.業者関連は、現在庫.新色在庫を生産するのに嬉しい悲鳴を上げてると、工事長の有難い長話があった。
工事長には、感謝と労いの言葉を掛け電話を切った。
2月末には、中国の旧正月のお陰で売上が伸びた。
国内の方もGWに籠バック発売と言う事で、雑誌関連に広告や宣伝としてサンプルを提供したりと翻弄していた。
お陰で、こちらは宣伝関係は経費が安く済んで助かった。
仕事面は、今の所順調に進んでいた。
後は、週末のトリプルデ-トがどうなるか検討もつかない。
その週の半ばに、沙織から電話があり
「伊織、土曜の朝7時に私の家に集合ね」
「はあ?何で、そんな早え~んだよ」
「女には、準備ってものがあるでしょう?」
ミキと真琴君の女装の準備か。
「お前、楽しんでんだろ?」
「解る?もう、凄~く楽しみ~。伊織も期待してて。クリスマスの時とは、また違う雰囲気にするわ」
クリスマスの時は、大人の雰囲気で絶世の美女って感じのお嬢様風だった、今度は、どんな風にするのか?楽しみだ。
沙織じゃないがワクワクしてくる。
「沙織に任せる。で、それからどこに行く気だ?」
「ん~、たくさん行きたい所あって迷ってるの」
「ふ~ん、で、候補は?」
「雨なら水族館。お天気が良ければ、富士急ハイランドかディズニ-のシィかな?後、横浜の方をブラブラしても良いし~、鎌倉.湘南辺りも良いかな~。でも、街をフラフラって、いつでも出来るし~迷ってるの。本当はどこかで遊んで温泉宿で1泊が良いんだけどね~、大ちゃんがダメって言うのよ~」
「そりゃあ、ダメに決まってんだろう。良くもまあ思い付くよ。全部は無理だからな」
「解ってます~。当日まで考えておくわ。後、マコちゃん達にも連絡しておいてね」
「解った。じゃあな」
何だか浮かれてる沙織との電話を切った。
ったく、沙織の奴。
ミキと真琴君を自分の弟みたいに、いや、妹か?みたいに思いやがって、まあ、沙織は1人っ子だしな、嬉しいんだろうな。
仕事中だとは思うが、早速祐一に LINEする。
LINEだけ入れとけば、勝手に仕事の合間に見るだろう
♪*7時に沙織の家に集合。俺のマンションに6時過ぎには来い。マンション下に着いたら連絡くれ*♪
仕事中らしく既読も返信も無かったが、随分あとに返信があった。
*♪了解。それにしても、朝、早え~な*♪
俺と同じ感想だ。
朝方まで仕事の祐一には酷だが、寝ないで来るだろうな。
*♪準備だとよ*♪
*♪そうか、解った*♪
短い返信だが、俺と一緒でワクワクしてんだろうな、祐一は素直じゃないからな。
それから、ミキにおやすみ電話で連絡した。
当日の朝に祐一達が迎えに来るから、金曜の夜は泊まる事を約束し、これで俺の役目も終わった。
ミキも「楽しみ~♪」と開き直って言っていた。
人間、開き直ると怖いもんが無くなるんだな、あんなに嫌がってた女装も、もう頭には無いらしい。
ま、ミキは2回めだしな。
問題は真琴君だが、当日に上手く沙織と祐一がするんだろうとそっちは他人事だ。
トリプルデ-トは面倒だが、ミキの女装姿は見たい。
あ~、どんなに可愛くなるか、当日までの密かなの楽しみだ。
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