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第314話
トリプルデ-ト当日。
*♪下に居る*♪と祐一からのLINEで、朝からバタバタしていた。
それもその筈、昨日の夜のセックスで疲れて泥のように寝ていた、起きたのはLINEが来る少し前だ。
慌てて起きシャワ-を交換で浴び、出掛ける準備をしていた所だ。
「ミキ、出られるか?」
「ん、ちょっと待って~」
「服は、どうせあっちで着替えさせられるんだし髪もセットしても無駄だぞ」
「そうだけど……もう、これで良いっか~」
髪はナチュラルに流し、服装は淡いパステルグリーンのパ-カ-に黒のスキニーを着て客間から出て来た。
普通の服装だが、ミキが着るとお洒落に見えるから不思議だ。
「ん、可愛いぞ」
「ありがとうございます。待たせてますよね」
「待たせておけば良い」
「そんな訳にはいかないですよ。…昨日の……伊織さんが…」
言えずに俯くミキが可愛い。
「昨日?ああ、夜の事か?1回で終わらせるつもりが、ミキが強請ったんだろう?それでも手加減はした、そのお陰で体は辛く無いだろう?俺が本気出したら、ミキはずっとベットの上で寝てる事になるんだからな。俺って恋人思いだよな」
「………確かに強請った俺が悪いけど……最初に '明日、皆んなで出掛けるから、ダメ’ って言いましたよね?」
俺の事を恨めがましい目で見られるが気付か無い振りをし、大きな態度で俺の持論を述べる。
「俺はミキを目の前にして手を出さずには、い・ら・れ・ま・せ・ん」
ミキも俺の態度に呆れ、言っても仕方無いと諦めたようだ。
「はあ~、そうですか?嬉しい様な嬉しく無い様な……複雑ですけど……」
ミキに呆れられ、焦って近くにいたミキの腕を引っ張り抱きしめた。
「けど何?。嫌いになったか?」
腕の中から顔を出し上目遣いで話す。
「……やっぱり嬉しい…かな。嫌いになんて慣れません。大好きです」
「俺も」
ギュっと抱きしめ軽めのキスを1つした。
♪♪♪♪~♪♪♪♪~…
スマホが鳴り痺れを切らした祐一からだと電話口に出て話も聞かず「すぐに下りる」電話を切り「ミキ、祐一達まだか?って。直ぐに下りるぞ」
朝からイチャイチャして遅くなった。
「はい、大丈夫です」
玄関を出る前に、ミキを引き寄せ唇にチュッとキスをする。
「ここまで来たら、楽しもうな」
俺の両頬に手を添え、チュッとお返しのキスをくれ「もちろん」とふわりと微笑んだ。
俺の好きな笑顔で、朝からドクンッと心臓が踊った。
今日は良い事が起こりそうだと、ミキの笑顔で幸せな気分にさせられた。
今日は助手席に真琴君が乗ってた為、自然とミキと後部座席に乗り込むと、間髪入れずに祐一に揶揄われた
「遅かったな?また始まったのかと思ったぞ。どうせ昨日も散々ヤッたんだろ?」
言われて頬を染めるミキを見て、祐一の頭を軽く後ろから叩き負けずに話す。
「はあ~、始まったらこんな短時間で終わる訳ねぇ~だろうが。昨日は今日の事考えて手加減したっつ-の。お前こそ、仕事疲れでナニもお疲れかぁ~」
くっくっくっくっ……
「はあ~、何言ってんだ?疲れて帰ってマコの寝顔見たらスルに決まってんだろう。俺は誰かさんと違って、回数じゃ無くテクニックでイワせてんだし~」
「はあ~、誰がテクニック無いって?俺は回数もテクニックもお前より上!」
「はあ~、俺の方が上だ! 」
「俺だ!」
「いや、俺だ!」
「祐さん!」「伊織さん!」
2人に呼ばれて、それぞれの相手に向き直るとミキは恥ずかしそうに頬を染め怒っているし、真琴君はそっぽ向いて怒っていた。
ヤバッ。
つい、バカ祐一の揶揄いにいつものノリで話してた、こりゃ~ご機嫌取るしか無いな。
祐一達に聞こえないように、ミキの耳元で小声で話す
「悪かった。怒ったか?祐一との軽いコミニュケーションだ。俺達のいつもの軽い冗談だって。な、怒るなよ」
「………」
くそ~、バカ祐一のせいだ。
運転席を見ると、運転しながらも祐一も一生懸命に真琴君のご機嫌を取っていた。
こいつもやっぱり恋人のご機嫌取るんだなぁ~と、昔の祐一を知ってるだけに何だか面白かった。
そんな事よりミキのご機嫌だ。
「祐一が揶揄うから、つい悔しいから対抗しただけだ本当の事はミキが知ってるだろう?冗談だって、解るだろう?」
「……解ってます」
返事をした事にホッとした。
「済まない。こんな所で冗談でも言う事じゃ無かった」
俺も反省の色を見せると、ミキは俺の耳元で嬉しい事を囁く。
「俺にとっては、全て伊織さんの方が上です」
思わず場所も弁えず祐一達から見えないように、ミキの頭を抱え軽く唇にチュッと唇を落とし、チラッと前を見るとバックミラーから祐一がニタニタしながら俺達を見ていたのが解り、後ろから蹴ってやった。
「蹴るなよ。事故るぞ」
祐一の声に、ミキが腕の中から顔を出し、俺に「危ないからダメ」って可愛く注意された。
「悪い。蹴ったんじゃない、足が当たっただけだ」
「そうなの?」
「な、祐一!」
「あっ、俺の勘違いだったかも」
「祐さん、寝てないんだから気を付けてね」
今度は、真琴君に祐一が注意されていた。
そんな祐一も運転して無い方の手で、真琴君と手を繋いでいたのが俺の席から見えた。
なんやかんやで沙織の家に着くまで車の中は、2組のカップルがイチャイチャしていた。
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