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第16話

あの日から1カ月半やっと日本に帰って来た。 4月1日付で本社勤務なのに後1週間しか無い。 俺の予定では3月中旬までに帰国して、契約したマンションで荷物整理、家電の設置、行政関係(区役所.免許の更新等)生活用品を購入したり、やらなきゃいけない事を早く終わらせて、落ち着いたら祐一の店に行き、あの美しい男を口説いて俺の者にする予定だった。 予定が狂ったのは日本からの引き継ぎ相手がトラブル処理でアメリカに来るのが遅れたからだ。 これじゃ時間が無い。とりあえずマンション着いたら一休みして、荷物の整理し今日はそれで終わるな。 明日は家電届くから設置して生活用品を購入しに行くか、行政関係はその後だな荷物整理も1日じゃ終わらないだろうし、くそぉ全然時間が足りない。 祐一の所は先になるなと空港からマンションに行く電車の中で段取りを考えていた。 契約したマンションは10階建ての6階に借りた3LKだ。家賃は多少高いが会社に近い事と家賃の割には部屋数の多さと間取りが気に入った。 1人で住むには広いが書斎や物置も欲しかったから良い物件だ。 明日から忙しくなりそうだ。 早く人間が住めるようにして出社するまでに会社の提出書類を作成しないとやる事が多くてウンザリする。 財布を取り出し中から折り畳んだメモを見つめ 祐一にアメリカからやはり気になって何度か連絡していた。 あの日から祐一の店には2回程呑みに来たらしいが 1人じゃなく祐一の恋人と呑んでいたようだ。 さり気なく他の店には行っていないか聞いたがやはりあの時だけだったようだ。 祐一も居るし、祐一の恋人と一緒なら安心だ。 それを聞いて、いい子にしてるなと笑みを浮かべた事を思い出しメモを指先でなぞり「もう少しだけ、いい子にしてろよ」と小声で独り言を言い笑みを浮かべた

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