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第206話

「うん、うん…元気だよ」 様子を見てくる瞬助に背を向けて会話を始める。 「はは、大丈夫!うん、ちゃんと帰るし、ダメだよ男子寮なんだから、また帰った時にね、わかった、大丈夫だからまた連絡するよ、うん、じゃまたね」 後ろからの瞬助の視線が痛くて、早めに電話を切るコウジ。 「ふう、」 「お前、母親と仲良すぎねぇ?」 友達と会話しているようなコウジの対応を見てぽつり。 「別に、普通だよ、そういえば瞬はゴールデンウィークいつ帰るの?」 軽くかわして、ちょうど母親とゴールデンウィークの話をしたので瞬助の予定を改めて聞く。 29日は予備講習があり、普通に登校するので、5月の2日〜6日までの連休のことだ。 「だから帰んねぇって前言ったろ」 「それマジで言ってたの?」 「マジだって、前半は部活もあるしお前だっているんだろ?」 「いや、帰るよ…」 さっきの母からの電話で念押しされたし… 「なんで?ゴールデンウィークどっかデート行こうぜ?」 「いや無理だって、母さんと約束してるし」 「はぁ?なんの」 「家帰るって、病院の見学とか、色々…あと買い物とかも行くし」 「は?ママと買い物!?」 「何…?」 「マザコン過ぎだろ!」 「なんで、母さんがいきたいって言うから…親孝行してるだけだよ」 「親孝行って…まさかゴールデンウィーク全部とか言わねぇよな」 「……」 「マジで!?」 「だって、瞬、去年はゴールデンウィーク実家帰ってたし…予定はケンカ中に決めたから…」 もう別れるつもりだったから瞬のために予定あけるわけがない…

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