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第207話

「お前なぁ…俺はお前がいないゴールデンウィークなんか嫌だからな」 「そう言われても…じゃ、瞬が部活のある日は寮に戻るようにするから、それでいい?」 「デートは?」 「無理だって、全部予定入れてるもん、瞬も実家帰って親孝行しなよ」 どっちにしろ2人でデートは行きたくないし… 「あーもう!何でだよ!せっかくゴールデンウィークなのに恋人とデートにも行けねぇってどうよ!」 コウジの素っ気ない言葉に、地団駄踏むようにイライラする。 「瞬…落ち着いて、今年はタイミングが悪かったと思って…」 「じゃ、来年は絶対デートしろよ!」 「えっ」 「ママと予定入れたら許さないからな!」 「わ…分かったよ」 有無を言わせぬ勢いの瞬助に引きつつも頷いてしまう。 まあ、1日くらいは空けとこうかな… 「ていうか、マジな話、1日くらいなんとかならねーのか?2日、土曜日の午前中だけでも!」 そうピンポイントに指定してくる。 「なんで?」 「陸上の地区予選大会があるんだよ、総合グランドで」 「え?瞬出るの?」 「もちろん、こないだ学校選考会してただろ、俺はハードルで出る予定だから、オレが走る午前中だけでもいいから観に来てくれよ」 「僕が観てたら何かいいことがあるの?」 「いつもより速く走れる!」 「……本当に?」 なんとなく疑うが… 「コウジに観られていたらやる気も出るし、ハードル競技は午前中で終わるから」 「うーん、」 「コウジ!」 「…分かった、母さんに聞いてみるよ」 まあ、真面目な大会なら、瞬助には頑張って欲しいから… 「っしゃ!」 ガッツポーズなどをしながら喜ぶ瞬助。

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