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第114話
「そっか?お、千円くらいであるぞ、入るかな…無理か…サイズでかいのないのかよ」
それに比べ、周りの目をまったく気にしない瞬助。
マイペースに指輪をはめてみて呟いている。
「まあ、女性向けの店だしね」
たくみが頷いて答え…
「コウジは?」
続けて様子を見て声をかける。
コウジは、ひとつ指輪をとって薬指にはめてみる。
指も細いコウジ…すっと、指輪がはまる。
「お、入るじゃんすげぇ」
そう驚いて、首をひねっている瞬助…
「問題は俺か…店員呼ぶかな、大きいサイズないか」
「ちょ、やめてよ」
瞬助の言葉に、驚いて止めるコウジ。
「え?なんで?」
「2人で買ってるのバレたら恥ずかしいでしょ」
「大丈夫だってうまくやるし、すみませーん」
瞬助はのほほんと答えて、すでに店員に声をかけている。
「しゅん!」
あわてて指輪をはずして戻す。
「はい、何かお探しですか?」
呼ばれてやって来た女性店員に…
「えーと、俺にあう大きいサイズの指輪とか置いてないんすか?」
簡単に聞いてみる。
「男性向けの、大きめの商品でしたらこちらにご用意しているだけになりますが…」
店員は少し場所を移動して案内する。
「ありがとうございます、少し見てみまーす」
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