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第1話
「やっ、ユウ……!」
部屋に響く水音。
散々慣らされたそこは、僕の意思とは反対に、甘い痺れを身体にもたらす。
「良にぃ……」
「ひっ、あっ……!」
身体の中に熱いものが打ち付けられる。せめてもの抵抗にと覆い被さる彼の胸を押し返せば、その手は簡単に彼によって捕らえられた。
頭上にひとまとめにされれば、もう逃げられない。
「やだっ……!」
「可愛い……。ねぇ良にぃ、飲んでいい?」
彼はそう言って、その綺麗な顔をだんだんと近付ける。耐えきれなくなって顔を背ければ、彼はそれによって出来た隙間に顔を埋め、了承を得ることもなく僕の首筋を舐め上げた。
「いっ!!」
彼の牙が、僕の中に入り込む。
痛みなんて一瞬で、すぐにそれは感度を高める媚薬へと転じた。
「んっ……あぁっ……」
彼の喉がゴクリと音を鳴らす度に、身体の温度が高まっていく。
「やっぱり、良にぃの血は格別に美味しい」
「ユ、ウ……っ、ユウ……!」
狂ったように彼の名前を呼んで、限界が近いことを必死で訴える。そうすれば、彼は優しく微笑んだ。
「いい子」
牙を突き立てられた場所をそっと彼の舌が撫でる。まるでそれは頭を撫でられているようで、褒められたと感じた僕の身体は喜びで震えた。
「あっ、あぁぁっ!!」
強い快感が理性を吹き飛ばす。僕は彼の視線を一身に浴びながら、欲を放った。
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