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第2話
一人寂しい朝は悲しい。
でも、今日はいい匂いがする。
「おはよっ。大河。」
「おっ、おはよう。えっ、嘘だろ?」
「えへへ。嘘じゃないんだよ。触ってみて。」
「本当だ。確かにこの温もりは恒樹だ。」
「やっと信じてくれた。」
「恒樹会いたかったよ。いなかったこの世界なんてつまらなかったんだから。」
「そうだったんだね。ごめん悲しい思いさせて。」
「でもどうして?生き返ったのか?」
「ううん。生き返った訳じゃない。この世界に戻りたいと願ったのと、大河が願ってくれたお陰だよ。」
「そうだったんだな。好きだよ。この言葉をずっと言いたかった。」
「朝だけど寝るね。体力消耗しちゃって。ここに来るまでに。」
でもなにか可笑しいこの胸騒ぎがあるんだ。
今日は何年の何月何日だ?
カレンダーを見るとー平成28年6月5日ー
嘘だろ?今は平成29年の6月5日なはずなのに。
今から約一年前だ。
確かこの一週間後に恒樹は、事故で死んでしまう。それまでにどうか運命を変えれたらいいのに。でも、恒樹が戻ったということは事故に合わないかもしれないということだと願いたかった。
今思っていることが違っていたとしてもただ今だけは恒樹が側にいるという思いをこの思いを噛み締めていたいから。俺が犠牲になったとしても大切な恒樹がこの世界にいるなら俺という存在が消えたって構わない。
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