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第8話
玄関まで送りにいった飛鳥
すると司は靴を履き振り返って
飛鳥の頭に手をやると額にキスをした
「ひゃ……な、何……?」
「ははっやっぱ飛鳥は可愛いわ
じゃあな」
そうにこっと笑って司は帰っていった
飛鳥はというとただ呆然としていた
額にとは言えキスをされるなんて
顔が真っ赤になった
次の日学校
「なんだ?何かいいことでもあったのか?」
「月島君
えっと久しぶりに兄と会ったんだ」
「へぇ~兄貴いたんだ」
飛鳥と話しているのは同じクラスで数少ない
と言うかほぼ彼だけと思う友達の月島啓一 だ
どんくさい飛鳥をいつもサポートしてくれて
こうやって話しかけてくれるいい人
彼のお陰でいつも一人だったのが
今では他の人とも多少話せるようになった
「なぁ木崎今日暇?」
「ごめん、今日もバイトなんだ」
「お前さ、たまには休めよ
体持たねぇぞ」
「でもお金少しでも稼がないと」
でないと学校に通えなくなる可能性があるから
できるだけ今の内から少しでも貯めておきたい
母は幸い家賃とか食費、そう言ったものは払ってくれる
でも食費も僅かなものだ
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