7 / 19

第7話

「母さんは………」 どうしよう あの人は今頃男の元だなんて言えない 考えた結果飛鳥の答えは 「母さんは仕事でいつ帰ってくるか分からないんだ」 「そうか残念」 嘘を言うのは心苦しいが 真実を知らない方がいい そしてつい楽しくて話し込んでしまい 気がつけばもう夜も遅い 「あの、こんな時間だけど 良かったら何か食べてく?」 「いや、明日も仕事だし今日は帰るわ」 「そっか」 なんだか少し寂しい 「そんな顔するなよ また来るから」 「うん」 「あ、そうだケータイある? 連絡したいし」 「ごめん携帯持ってないんだ」 携帯は高くて買えないし 友達も少ないし母親と連絡を取ることもない だから必要性を感じなかった為に 持っていなかった けどこう言うとき持ってなかったことを 後悔する 折角兄とメールなんかできたらと思ったのに 「家の電話で良ければ電話してほしいな」 「勿論 じゃあそろそろいかねぇと」 電話番号を教えて司は玄関へと急ぐ

ともだちにシェアしよう!