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バレンタインデー→sideT
オネエ口調の店長と康史はすごく仲が良さそうで、ちょっと面白くないなと思いながら、促されるまま奥にある部屋へ通される。
店の中にある品物もだが、部屋の中の雰囲気もエロス的な感じで、なんだかそわそわしちまってきてキモチもちょっと落ちつかない。
「カレシ、凄い身体鍛えてるのね。なんかスポーツやってるのかしら?」
「あ?ケンカくらいしかしてねーよ」
べたべたと腹筋あたりを触られるのがうざったいなと思い、ついつい態度に出てしまう。
「まあ、ケンカ強そうね。サンプルと計測用の器具をもってくるから、少し待っててね。お紅茶いれたからチョコレートと一緒に飲んでまっててね」
ソファに座るように促されて、康史と一緒に腰を下ろす。
「こーいうとこよく来てたのか?」
「んー、2年の夏くらいから通ってるよ」
知らないな。
いつも一緒にいたと思ってたから、知らないのが面白くない。
康史はソファの上にある器具を面白そうに手にとって眺める。
手持ち無沙汰で、出された紅茶を啜りつつ、上品そうなチョコレートをつまんで口に入れてみる。
高級なやつなのか口の中ですぐに溶けていく。
「てーそーたいって、そんな特別なパンツなのか?」
「革製だからね、合わないと体を痛めちゃうし」
カタログっぽい本をヤスは開いて、パンツというより、革の拘束具のようなものを指差す。丁寧に鍵や器具もついている。
ちんこまでも拘束するみたいなものだ。
「こういうのしてーの?」
まあ、康史の性癖は知ってるし、記憶なくたってやりたいことは変わる筈がないし。
おかしいな、なんだか、だんだん体が熱くなってくる。
こころもち、なんだか、頭もフワフワしてきた。
なんだろ、う。
「したいよ?トールはイヤ?」
「康史がしてーこと、なら、俺はイヤじゃねーよ。俺は、オマエのもんだからさ」
ドクンドクンと心臓がうるせえくらい音を鳴らして、何もしてねーのに、ちんこが硬くなって痛みを訴える。
あ、なん、だ。
なんか、盛られ、たか?
遠くから、店長がやってきて、手にいろいろもちながら俺のあごをくいっと持ち上げる。
「準備はととのった、みたいだわね、カレシちゃんと発情してる顔をしてるわわね。さて、アナタに合った貞操帯、作りましょうね」
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