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プレゼント→sideY
「今日の昼メシ凝ってたな。あれ、なによ」
誠士のバイクのタンデムに乗せてもらい、俺達は隣の市までやってきた。
自分らの市よりも駅前に大きなショッピングモールがあってひらけている。
「フツーのキャベツのぺペロンチーノと、玉ねぎと鳥のスープだけど?」
たまには昼飯をとあさった冷蔵庫には大したものがなかった。せめて、味付けにはこだわったが大した料理もできなかった。
まあは、誠士だけに作るとかあんまなかったから、今回は味付けも誠士向きに変えたくらいか。
「味つけが、いつもと違った」
それを見抜くとは、かなり鋭い。
誠士は、東流と違いほんとに鋭いヤツだ。
「いつもは、ほら、トールの好みの味付けにしてるから。今日は誠士が好きそうな味にしてみた」
「まー、いつも思うけど、ホントに康史は女の子だったら、ホントに最高なんだよな。こころから残念だけどよ」
いやいや、俺の場合は、女の子だったらとか言われ慣れすぎていて嬉しくはない。
普通ならば、かなりムカつくだけなんだが、誠士に言われてもそんなに腹はたたない。
「えー?俺が女ならなー。そうか?好きなヤツ犯すやつだけど、どうなの?スゲーやべえ女の子じゃね」
「やべーね。まあ、康史は顔良くなかったらタダの犯罪者だし。病み系の変態サディストだろ」
誠士の言葉に吹き出して、それもそっかとつぶやく。
まあ、自覚がないわけではない。
「で、プレゼント決まってんの?」
「いや、決まってねーけど。トールの感覚かなりズレてるし、何が喜ぶかわかんないからな」
俺とはかなりセンスが違うのはわかる。
俺がよく服を買って着せたりしてるが、喜んで着てるかどうかは謎だ。
好きな人が自分の気に入った服を着てくれるとか、まじで嬉しいとか思うが、貰った方が嬉しいかどうかはよくわからない。
「んー、でもさ、康史は東流から貰ったもん全部とっておいてるだろ?机の上にかざったりさ」
誠士はよく部屋の中のもん見てるなとおもいながらゆっくり歩き近くのショップの前に立つ。
「まあ、トールから貰ったもんは、全部たからもんで大事だ」
「そーいうこと。好きな奴から貰ったら、全部嬉しいだろ」
まともなことを言い出す誠士に俺はそうだなと笑う。
そうだな、でも東流も社会人になるんだし、必要そうなものを贈ろう。
東流が持っていないような、社会人ぽいもの。
全部か?
「1式探すから、手伝ってくれ」
トラック運転手って、何が必要かな。まずは、そこから考えなくちゃだ。
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