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報告→sideY
遊園地で楽しんだあと一泊して翌日帰ってきたものの、昨日は2人ともグロッキーで、そのままダラダラいちゃいちゃして寝てしまった。
今日は東流は朝から教習所で、卒免試験とか言ってた。
もうすぐ誕生日の2月28日には、免許とりにいくらしいし。
あと3日しかねーし、誕プレとか探さないと。
こないだ用意したのは、誕プレというか、まあ俺の趣味だし、誰得っていったら俺得だしな。
相手に喜んでもらえるもん探さないと。
どーしようかな。
とりあえず、これから出掛けるのにボディガードになるかわからないが、誠士を呼ぶことにする。
喧嘩はしないが、一応全国級の空手の選手だし、見かけは強そうだしな。
スマホを手にして、誠士にコールをする。
『もしー、康史?めずらしいね、もしかして、女紹介してくれんの?』
相変わらずの誠士の言葉に、俺はちょっとぶはっと吹き出す。
「俺、ずっとヒッキーだったし。今は人と関わってねえよ。あのさ、買い物行きたいんだけど……そろそろさあ」
『あー、いいよ、どうせ暇だし。そういや、あんときバタバタしてたけど、〇▽大合格したんだってな、おめでと』
俺の言いたいことを直ぐに理解したのか、買い物への付き合いを承諾してくれた。
誠士が理解が早いのは、本当に助かる。
「まあ、そういやあ誠士はもう推薦で決まってたしな」
何気なくそう返すと、しばらく誠士は押し黙り、
『…………あ、康史、記憶戻ったのか』
ちょっと驚いた声が聞こえて、そういやこれも報告してなかったなと思い出す。
「あ、うん。戻った。こないだ、討ち入りの後くらいに…………心配してくれたのに言うのが遅くなった。ごめん」
遊園地にいったりして、ついつい話してなかったな。
誠士もすごく心配してくれたのにな。4日もたっちまった。
『お、やっぱり記憶戻ったのか、良かった。康史は気にしいだな。かんけーないって、俺らはダチなんだし』
携帯の声には、なんの裏もなく安心する。
自分から報告の電話くらいしとけば良かったなとは思う。
「ん、ありがとうな。もうすぐ、トールの誕生日だし、プレゼント買いにいきたくてさ」
『だよな。そんなことだろうとは思ってた。今から行くからうまーい昼メシ食わせてね』
誠士がじゃあねと電話を切ったので、ふっと息をついてスマホをテーブルに置いた。
あれだな、恋愛にはまるとダチ関係の付き合い悪くなるとかホントにダメすぎるな。
反省しないとな。
反省ついでに、誠士にうまーいメシ作ってやるか。
俺は、キッチンに向かい、冷蔵庫を開けた。
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