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幼馴染み→sideT

目を覚ますと抱えて眠っていたはずの康史が居なかった。 飯でも作りに行ったかなと起き上がり、バリバリと頭を掻く。 ちゃんと身体を拭いてはくれたみたいだが、それでもシャワーでも浴びるかな。 俺はバスタオルを手にして、廊下に出ると、康史以外の気配がする。 誠士でもきてんのかと、あまり気にも止めずに浴室に入る。 あったたかいシャワーが気持ちよくて目を細める。 腰とか流石にダルイし、なんか寝違えたみたいに調子悪いし、ちんこは引っ張られて皮が切れてんのか、ヒリヒリしみる。 俺だって、流石に無敵じゃねーんだけどな。 身体を洗って、全身を濯ぐとゆっくり息を吐く。 ま、康史に好き勝手されんのも、べつに悪くねーんだけど。 脱衣場に戻って、持ってきたバスタオルで身体を拭う。いつも全裸で出てくと誠士は嫌がるので、引き出しからスエットのパンツだけを履いて、頭を乾かしながらペタペタ歩いてリビングへ向かう。 「ヤス、メシくいてェな」 「ちょ、トール、風呂入ったら、足までちゃんと拭けって何度言えばわかるの?!」 さっそくお叱りにあって、リビングを見ると士龍となんか怪我してる虎王が並んで座っている。 「お、シロ、いらっしゃい!」 後ろで床を拭っている康史を気にせず、俺はリビングのテーブルへとつく。 「トール君、久々だね。今日は報告があって、きたんだ」 相変わらずふわふわした表情の士龍は、マイペースに俺に声をかける。 久々といっても、一週間くらい前にも士龍たちはここにきたんだけどな。 「そうか。結婚でもするのか!?」 報告と言えばこれっきゃないなと問い返すと、首を軽く振る。 「まあ、それもそのうちあるかもなんだけど。えーと、とりあえず、もう、報復とかするヤツらいないから、ヤッちゃん自由に出歩けるよってことをね。言いたくて」 「お、そうなのか。そりゃ、安心した。どうしたんだ」 「小倉派を、こないだ俺らが潰したんで。」 「あ、それでタケちゃんが、そんな怪我してんのね」 俺はようやく理解出来たという表情をすると、大したことないと、無愛想に返される。 兄弟でも似てないもんなんだな。 「これから、ウチのガッコのテッペンは、シロウなんで。シロウが、報復禁止令だしたから…………」 無愛想な虎王は、ボソボソと説明する。 「ちょっと、めんどくさいんだけどね。まあ、めんどうなことは、たけおたちがしてくれるから」 ニコニコと笑う様子が、昔の面影を残していて可愛らしい。 とりあえず、長い間続いた東高とのいさかいは休戦ってことか。 「ねー、トール君。チクビにピアスしちゃってるんだね。痛くない?」 士龍に指摘されて、俺は上半身裸だったことに気がついた。 「そんなの、いてえに決まってるっての」 まあ、そこより痛いとこも空いているんだけどな。

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