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※遠い意識の中で→sideT
ぐったりと沈み込んで指1本動かすことすらできないくらい重くなった身体を康史がタオルでぬぐいながら、ひゅーひゅーと胸だけで、やっと呼吸する俺を見おろし少し焦ったような顔をしている。
大丈夫だと言いたいのに、声すらでない。
なんとか唇を開けば、唾液が溢れてとまらなくなっているようだ。
身体がいかれちまっているのか、イキッぱなしのような状態らしく、震えがとまらない。
「…………トール、トール…………」
抱きしめてくる腕が優しくて心地よくて、身体を預けたまま、何度も深い息を吐きだす。
脳みその中も沸騰しきってるけど、俺はようやく腕を少し動かして、康史の手のひらの上に置く。
そんな俺を心配そうに見て、可愛い顔ばっかすんな。
ビクビクとイキ続けてるのは、脳みそが飛びそうに気持ち良くて、そして、そのまま全部ぶっ飛んでいっちまいそうで、怖い。
「……………………や……ふっ、…………あ、あ、ひ、てるっ」
舌も痺れて呂律が回らない。
愛してるっていいてえのに、カッコつかねえ。
ギュッと抱きしめられ、こぼれ落ちる唾液を啜られるようにキスをされる。
「……トール、愛してるよ…………」
康史の胸元に頭を押し付けられて、何度もなでられる。
ずりいな、俺もちゃんと、いいてえな。
ふわりふわりと意識が霞んでいく。
とおく……なっていく。
抱き寄せる熱はあつくて、たまらなくて。
俺はずっと、おまえを感じていたい。
オマエが欲しくて、たまんねえんだよ。
瞼が重くて仕方がなくなる。
「………や、しゅ………ふっ……と…………いっひょ…………な」
あー、まだ、舌が痺れちまってるなと思いながら、霞む視界に頷いて俺を泣きながら見つめる康史の姿を認めて、俺は安心して意識を手放した。
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