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※甘くて苦しい熱 →sideT
「トール、ぜんぶ、食っちまいたい」
足のつま先を舐めながら康史にもごもごつぶやかれ、節がしっかりとした指で、アナルの内部にクチュクチュとローションを塗りつけられ、躰の芯から爛れるように熱くなっていく。
俺の中心でたちあがって主張するペニスのさきっぽからも、とろとろっと期待するように先走りが溢れ出し、会稽を伝ってシーツへと流れ落ちる。
身動きはうまくできないが、じくじくと身体の中が疼いて仕方がない。
こないだされた時は、その疼きが辛くて仕方がなかったけど、力を抜いているせいか、指の抜き挿しにあわせて呼吸が荒くなる。
「……ッ、…………ハッ、あち、い、なかッ」
ぐぷぷと音をたてて、深く康史の指が入ってくるのがわかる。
「トール、…………今日はすげートロトロ、もう二本目はいっちまってるぜ」
耳元で囁やかれ、二本の指が交互にバラバラとやわらかな内側の壁を押し上げるように蠢くのに、きゅっきゅうっ内股が痙攣する。
「ンン、っァ、くあッ………くッ、ッは、……ンッ、っ、、…あ、あんま……はや、くすんな……ッ………あああァ」
固定され閉じられない脚に逃げ場がなく、少し張った前立腺を指で押し上げるように捏ねられ、どくどくと先端から精液が溢れ出る。
射精感を伴わず、漏らすように零れてくる精液を止めようもなく、アナルは指を咥えたままきゅうきゅう括約筋をひくつかせてるのが、自分でもわかった。
キモチがあるとないでは、身体の感じ方も違うのか、刺激に素直に流されちまう。
「うわ、トール、すげーエッチな顔してる」
嬉しそうに笑いながら、俺の唇を舐めまわす康史の表情にすら、何故か心臓がバクバクしてくる。
ぐちゅっぐちゅっと卑猥な音を響かせ指を動かされるたび、熱が体内をぐるぐると駆けめぐる。
「あっ、ふあ、ッ…………ッッハッ、ぁああッ、や……すっう、やっ…………ッく、も……や、はッァ」
言葉も、溢れる唾液と喘ぎの中でうまくつなげない。
もっと刺激が欲しくて仕方がない。腰が浮いて棒に括られた下肢を自分から揺さぶってしまう。
頭がモヤがかかったように、思考が追いつかなくなる。
閉じられない唇から唾液が零れ、顎から首筋まで垂れてくるのがおぼろげにわかる。
たりねえ……よ、そんなんじゃ。
熱であたまが、もう、おかしく、なってら……ッ
もっと…ほしい、もっとなかをかきまわして……。
「トール、めっちゃエロい顔してる、すげえ可愛い。どうして欲しい?」
顔を覗き込んでくる康史の表情が、少し意地の悪い顔になっている。
胎内を出入りする三本の指の動きに、息苦しくてたまらず何度も背中をたわませて、喘ぎながら呼吸を繰り返す。
指の動きが緩慢で熱を逃せず、俺は刺激が欲しいと腰を浮かせてもじもじと下肢を揺らす。
俺の体はそこでの快感を覚えてる。
逞しい肉の律動が与える絶頂感を。
「ンァ、はっあ…ぁうあ……っ、ん……ッはッ……ッう、や、す、ヤス、ッ」
ほしくて、ほしくてどうにかなりそうだ。
名前を呼ぶ俺の顔を舐めながら様子を伺う康史は、きっとよく見ているAVの中のオンナのように、俺にねだらせたいのだろう。
足枷が邪魔で力が入らず、背筋から這い上がる熱と快感に翻弄される。
とかされちまう。
ぜんぶ、とけて、くるいそうだ。
「喘いでるだけじゃわかんねえよ、トール。どうして欲しいんだ」
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