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※愛を欲する →sideT
康史が耳元で囁く欲しいという言葉に全身が震えた。
求められているという感覚に、俺は背後から抱きしめてくる相手の腕の暖かさに息を深く吐き出して万感の思いを伝える。
肉欲だけじゃない。
すべての意味で、俺はコイツが欲しいのだとおもう。
全部とらえて、埋め尽くされたい。
「俺も…………っ、ヤスが……ほしい……」
身体を反転させて、腰を浮かせるとゆっくりと跨り自分で拡げながら、康史の股間で勃起したモノを腰を落としてゆっくほら呑み込んでいく。
康史の顔が、俺を見つめる目が熱っぽく、中の体温を味わおうと腰を揺らす度に内部の熱も上昇していく。
ぐいと脚を康史の腰に回して、腰を自分から激しく揺さぶって、首筋にがぶりと深々と噛み付く。
康史の眉がキック寄せられ、ぐっと回している腕に力が入り、ガクガクと突き上げるように揺する動きが激しくなっていく。
「……ンっ……っつううう、アッアアアアーッあ、アアッーーっうう」
突き上げる動きと、俺が深く腰を沈ませる動きがリンクして何度も追い詰められ背筋を反らす。
もっと深く繋がって、どろどろにとけちまいたい。
このまま、全部蕩けて一緒になっちまいたい。
「トール、トール……っつ、ンンーー、イクッ」
別の誰かに抱かれても、こんな気持ちにはならなかった。
不快で気分の悪さしか残らなかった。
胎内へ植え付けられる、熱の塊を呑み込みながら再確認する。
この気持ちは…ホンモノだと。
「……あい……して……る」
そして、俺はこいつからの、愛だけがほしいのだと感じていた。
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