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※雌犬 →sideT

「お待たせ、トール。つらかったね」 いったいあれから何時間たったのかもわからない。 頭も朦朧としていて、唸ることしか出来ない。 康史は全裸で浴室に入ってくると、俺をそっと抱き起こして拘束しているベルトをすべて外す。 「くうう………あああうう…ああ……あ、う………」 アナルをバイブに突かれたまま、触れられるだけで腰を揺らして突き出し、欲望のまま俺は康史に手を伸ばす。 ただ、早く奥にほしくてしかたない。 「こんなにザーメンまみれにしちゃって、気持ちよかったの」 こくこくと頷いて俺は康史の体に身をよせて、縋るように腰を押し付ける。 「顔もとろとろだね。ちょっとこのバイブに妬けるな」 「――ああっ…うう、は、うう――ンンン」 ずるっと俺の中からバイブを引き抜くと、ずっと銜えていたため広がりきった穴を眺める。 「息する度に、ひくひくしてるね。ここ」 「…ああっ………や……やす…やす…、あああ、いれ、でて」 熱がたまって仕方がなかった。抜かれた箇所を早く熱で埋めてほしくて仕方がなかった。 「トール、どうしたの?」 意地の悪い問いかけをしながら指先でアナルのふちを円を描くように撫で回す。 多分俺の体の状態もなにもかもわかった上での問いかけ。 もう熱くてほしくてたまらない。 「……あう…ああ…あッ…あ、おれの、あなにやすの…おちんぽ………ほし……ひ……はや、く」 「だらしない顔で、ヨダレまみれにしておねだりしてるの可愛いよ。じゃあ、だいすきなおちんぽをちゃんと銜えてしゃぶって」 体を離して、康史は俺の顔の前に回ると、俺の唇にペニスを押し当てる。 俺は唇を開き、目の前のペニスをほおばるように口に含んだ。 本当はケツに欲しかったのにと思ったが、差し出された肉をめいいいっぱいしゃぶる。 顔じゅう涎まみれになりながら、ぐっぷぐっぷと喉の奥へと誘い舌できゅっと締め付ける。 「こっちも欲しそうに口開いてるね、だらしないな」 ぺちぺちと掌で尻の肉を叩かれる。 その刺激がたまらなく、脚を開いて腰をあげてヤスを求めるように揺らめかす。 口の中からずるっとペニスが引き出されて、ヤスは俺の目を見つめる。 「トールは、今はメス犬なんだよ。いい?」 「ン…ああ……ああ…あ、あ、はやく………ほし……い…っ」 焦れて腰を突き出してねだると、ヤスは首を振る。 早く突っ込んでかき回してほしい。熱が欲しい。おかしくなりそうな焦燥感が駆け抜ける。 「四つんばいで後ろ向いてわんって鳴いて?キモチよくても犬なんだから、鳴き声はわんって鳴いてね」 また……おかしなフェチか。 呆れるも俺はよつんばいのまま腰を上げて脚を開いて、求めるように腰を揺らして押し付ける。 「………わん……わん…」 と鳴いてみせる。 セックスのときはこいつのフェチにどこまも付き合ってやる。それが俺の愛情表現だ。 「トール、可愛い。おちんぽ、入れてあげるね」 ずくずくと押し込められる熱い塊に俺は腰をよじりながら押し付ける。 「ううううう…あああ…ああわう………っわぁん…っううう」 首輪のリードを手にして、ぐっと引き上げ俺の上体をひきあげるとぐぐっと奥まで押し込められる。 欲しいものを漸く与えられて、俺の体は熱を持ち制御きかないくらいに乱れ始める。 全身から汗が噴出し、抜き差しされるたびにびくびくと体を跳ねさせる。 精液は出し切ったので、ドライでしかいイけない。 ふさがれていないけど、ふさがれるより苦しい。 「――ひいいあああ、あう、わああうう…っつうううわううううあああ」 イキっぱなしの状態なのか、脳みそも沸騰したように何もわからなくなる。 口にさっきまで入っていたバイブを突っ込まれて、咥内もぐっちょぐっちょと犯される。 下半身が自分のものではないように、熱くてたまらなかった。 中で熱がはじける。 もっとほしいと、腰を揺らして中の肉を喰いしめる。 俺はひいひいと鼻だけで呼吸しながら何度もイキ果てた。 「トール、トール、大丈夫?」 涎まみれになって、ごろっと転がっている俺の頬をヤスが心配そうにのぞきこみながら、見つめている。 きっと、俺はおかしい。 「……わう………わう」 一生懸命俺は鳴いている。 ほしくてほしくて、まだしょうがないのだ。意識もほとんどないのに、ほしいのだ。 ヤスは俺の体をぎゅっと抱き寄せて、ヤスの精液で濡れた入り口にゆっくりバイブを押し込んで優しくかきまぜてくる。 「ああ…ああう、わう…んんんん……ふう、わん…あああ、ひんうう」 霞んで見えるヤスの表情はすごく優しい。 「キモチよさそう。トリップしちゃってるんだね。ちゃんと最後まで面倒見るよ」 「ううう…やす…あああ…ふううん、わん…わん」 俺は一生懸命ほしいよと吼える。 ぐちゅぐっちゅとかき回され、全身が弛緩してくる。 ああ……壊れちまう……。 「やす………ううううう……ああああっ…あああ…」 俺は声をあげて、絶頂へと押し上げられるとそのまま意識をなくしていった。

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