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ふたりで夜景を→sideY
「……びびって悪かった……カッコ悪ィ……な」
夜景に目をやりながら、口元に手をやる。
「いつも強すぎるからな、たまには弱気なトールもすごく可愛いからいい」
実際ちょっと泣きそうな表情をされたのが、結構ぐっときた。
「…………可愛くはねえだろう。それに、弱気は、俺の柄じゃあねえ。まあ、出てったのもお前がオシオキとか言いだすから、なんかよ、カッとなった」
ちょっと唇を尖らせて拗ねた表情を浮かべて漏らす言葉に、俺は喉で笑う。
そんなこったろうとは思った。
「お仕置きは何でイヤなんだ?」
「対等じゃねえ気がする。オマエが俺に怒ってる分は、全部受け止める」
対等ね。
結局のところ、そこなんだろうな。
プレイではそういうお仕置きじみたことはできても、日常生活には持ち込めない。
「じゃあ何ていうんだ」
しばらく考え込んで、東流はぽんと拳を掌で叩く。
「お礼参り?」
飛び出した答えはあまりにも東流らしすぎて、思わず噴出した。
お礼参りって、確かに仕返しみたいなもんだけど、お仕置きの同義語じゃねえだろ。
「ぶっは、もうちょっと色っぽい言い方がいい、えろいかんじで」
「ンー、こらしめる……とかか」
「そんな感じだな、でも、さっきのメチャクチャにしろってのも、グッと腰にきた」
くっくっと笑いさっき耳元で囁かれた言葉に、結構期待している自分がいる。
エロイ意味で腰にきて、西覇がいなければその場で押し倒していただろう。
「……ン……、なァ、ヤス」
メットを手にこちらに戻ってきながら、東流は俺の顔をちらちら伺うように見下ろす。
「何だよ?」
問い返すと、うーんといいずらそうな表情を浮かべて、一瞬迷いを振り切るように告げる。
「……あのよ……今、すげえシたい……」
「え……ここで?」
思わず、近くのベンチとかを目で探したが、ここでやるにはハードルが高いし、この時期はちょっと寒いだろう。
「アホ。凍死したくねえ…………早く、帰ンぞ」
むっとしてタンデムに跨りメットをかぶろうとするトールの手からメットを奪う。
「トール、もっかい言って、具体的に何をどうしてえの?」
平常時の言葉攻めもなかなか楽しい。
肌の色は真っ赤に染まっていて、かなり照れているのがわかる。
「……バカ。……ンなもん、シラフで何回も言えるかよ」
俺の手からメットを取り返そうと伸ばしてくる手をぱしっと薙ぎ払う。
「オネガイ、もっと、エロく挑発してくれよ」
耳元に唇をくっつけて、微笑みを浮かべて上目遣いでおねだりをする。
「~~うぅ……、調子のンな」
唸るような声を出して、不服そうな表情に答えをせかす。
「早く、何をどうされたいのか言って」
「…………ヤスのちんこで、犯されたい」
顔を真っ赤にして俺からメット奪い取るとすぐに被ってしまう。笑いながら俺は東流の腰に腕を回し、そのメットに唇をくっつけた。
「存分にかなえてやるよ」
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