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大阪到着→sideT
ようやく大阪にたどり着いたのは、すでに夕飯時になっていた。ファミレスでホテルをとってもらってホテルにバイクを置いたところだ。
「ハラ減ったって言ってもアニキ、名古屋でも食いすぎなくらい食っただろ?」
「セーハはくわなすぎ。だからデカくなれねーんだぞ。身長、こないだキタラたちに抜かされただろ」
あまり食わない弟を心配して言ったのだが、うるさいとばかりに嫌そうな顔でスルーされる。
何かあった時には、やっぱりウエイトの差はでてくる。まあ、スタンガンとか使われたら、そこはウエイトとか関係ないんだけどな。
「とりあえず、ホテルの中で飯食うか?」
「いや、適当にコンビニでメシ買ってくるよ。アニキの量だと、ホテルのメシだとかなり高くつくからさ」
ホテルの受付で先払いの金を支払い、鍵をもらう。
西覇は俺に自分の荷物を手渡して、買い物にいくと踵を返す。
「俺もいこうか?」
「いーよ。ヤッちゃんから、アニキを夜の街に出すなって強く言われてんだよ」
康史のヤツはかなり心配症だが、そうなる理由もわかるので仕方がない。
自分から喧嘩は売らないが、俺は売ってこられたら買わずにはいられない性である。
「先に部屋行って、シャワーでも浴びといて」
「お前も初めての土地なんだから、気をつけろよ」
ルームナンバーを教えて、エレベーターに乗って部屋につくと少ない荷物を下ろす。
とりあえず、あの心配性に電話いれるかな。
俺は携帯を取り出して、康史の名前に指を置いた。
『もしもし、トール?』
1日も離れていないが、こんなに距離が離れているのは、めったになくて思わずすぐに言葉が浮かばない。
「お、おう。大阪ついたから、今日はここで1泊する。高速乗れないのはキツイなぁ」
『無事について安心した。……西覇は?』
「メシ買いにいったぜ。オマエ、俺を夜の街に出すなと言ったとか?」
『そりゃ、あたりまえだろ。それくらい守ってくれよ』
心配してるのはわかるしな。
なるだけ、康史には受験勉強に集中してほしいものだ。
「ハイハイ、わかったてぇの。じゃあ、シャワーを浴びてくるわ」
俺は電話を切ると、狭いユニットの浴室へと向かった。
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