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大阪事変→sideT

シャワーを浴びて着替えても、西覇は帰ってこなかった。 さすがに、コンビニだけで時間かかりすぎだろ。 嫌な予感がするが、いま飛び出していったとしてすれ違ったらまずいし、外に出ると俺がトラブルを引き寄せちまうのは、さすがに学習済だ。 明日のフェリーの時間を確認してから、俺はベッドに腰をおろす。 そりゃ、西覇の方が絡まれる可能性は、俺より少ないがゼロではないだろう。 俺と一緒の方がまだマシだったか。 イライラしながらTVをつけるが、何も頭に入ってこない。 たららたらたらたらたらたららー♪ 俺の携帯から、ゴッドファーザーのテーマが流れ出す。 名前の表示を見るとセーハの名前がある。 やっぱりなんか、あったのか。 「セーハ、おっせえぞ」 とりあえず、普通に電話に出るとなんだか周りのざわめきも受信してしまって、喧騒で声が聞き取りずらい。 『アニキ、ごめん…………っ』 微かな声で謝る西覇の声は尋常ではないのがわかり、俺はすぐにベッドから立ち上がる。 「今、どこだ?」 『お兄さん、…………ですかいなあ。弟さんがヤンチャしてくれたんで、いま、ちいとばかり仕置きしてるんやけど、ひきとりに来てくれんかいのう』 電話を変わったのか、少しドスの聞いた声からチンピラ連中とわかる男の声に、俺はギュッと拳を握りしめる。 「………わかった………引取りにいく。ドコに行けばいいが教えてくれ。地元じゃないから、詳しく場所を知りたい」 『お兄さんも、なんや若い感じやね。もっとる金かき集めてきいや。…………〇✕埠頭前の倉庫や』 フェリーの出る港近くの埠頭の名前をいい、倉庫のくわしい場所を聞き出す。 うまく、逃げられるかわからないな。 フェリー代とガソリン代だけ別にして、そいつを担保に逃げられるか、どうか、だな。 俺は頭の中で最悪のシュチュエーションも考えながらバイクを埠頭へと走らせた。

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