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第44話 ワガママな『ハッピーエンド』。 11

セックスが終わって風呂に入る前に見かけていたDVDを再生した。 叶は裸のまま布団にくるまって、アップルティーを両手で持って見ていた。 俺は下着とジーパンを穿き直してベッドに座って見た。 主人公は真っ暗な部屋の中で泣いていたら、青年がバイトから帰ってきた。 青年は主人公に『何で泣くの?』と聞いていた。 主人公は青年が『好き』なのを自覚したばっかで素直になれなくて……突っかかった。 俺から見たら……痴話喧嘩でしかない、早く告白しろ!!とうだうだ焦れったくて見苦しい。 でも叶は食い入るように見ていた。 だから俺はDVDを見ているより叶を見ていたほうが楽しかった。 言い合いになる二人はどんどんヒートアップしていくみたいだった。 俺は叶を見ているから……画面は見ていない。 すると叶の顔が急に驚いたように止まった。 DVDの音声も急に静かになったから、どうなったか画面を見てみたら青年が主人公の言葉を唇で塞いでいた。 まぁ、所謂キスで主人公を落ち着かせたわけだ。 キスは塞ぐキスから、啄み…深く……濃厚に変わっていった。 それから青年は『特別なのは君だけなんだよ』と、ベッドに押し倒した。 「きゃああああああっっっっ!!私見れませんっっ…これ以上……は」 俺は借りてきたDVDを止めた。 「かなえー、これまだ物語の半分だよ」 「っ情事の…シーンがあるなんてぇ……杉原先輩はエッチです!!」 「なに言ってんの……」 今まで叶と俺がしてるよりも遥かにソフトだし、性器は出てこないし……なにより『年齢指定』はない作品だ。 「叶、ひょっとして……恋愛モノはTVだけ」 「………はぃ」 これじゃTVドラマのキスシーンすらまともに見ていないとみた。 叶はちょー淫乱でイヤラシイ身体に俺に開発されちゃったけど中身は『清純』らしい。

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