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第20話
それに気づいた青年は、目を見開いた。
「…しょういちの鍵だ。なんで、キミが持ってるの?」
とうとう僕は立っていられなくなり、ドサッと腰を抜かした。
ぶるぶると震えながら、どうしても確かめたくて、ただ一言。
青年に問いかけた。
「……貴方は…誰、ですか…?」
青年が首を傾げる。
「ボク?…スイだよ。しょういちが付けてくれたんだ」
鍵はもう壊れている。
彼はもう自由に動ける。
なのに、どうして、ここに居るのだ。
僕の背筋をゾクリと震えが走った。
落ちた日記をグシャッと握りしめる。
日記に書かれなかった空白の50年。
そこには、一体何があったのか。
その日、
僕は祖父の『遺品』を見つけた。
END
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