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第10話

「っっ!!勃ったああぁ!」 珍しくフィオレオのはしゃぐ声が部屋の中に響いた。  髪と目を失った日からさらに一週間後、ようやくフィオレオの息子は勃つことが出来た。あれから魔法協会の資料室にて何度も調べたところ、希なことだが、魔力の著しい衰えが認められると体が本能的に魔力の放出を避けて、魔法使いが一時的に勃起できなくなることがあることが分かった。 そのため、髪で稼いだ金で、普段は買えないような魔力を活性化させる高級な薬を数日間飲んでみたのだ。 「はあ、ようやくか…」 フェラで疲れた顎を摩りながら、ガットが呟く。 「勃ちましたよ、ガット!」 「分かってるよ。随分待たせたんだから、今日はしっかり奉仕しろよな?」 濡れた舌で陰茎の根元から先端までをねっとりとガットが舐める。質から戻した碧目はしっかりとその妖艶な姿を捉え、フィオレオの中心がさらに熱く猛った。 服を全部脱ぎ、ガットはフィオレオに跨がった。丁寧に慣らした後孔でゆっくりとペニスを飲み込んでいく。 「っ、んぅ…ンんんっ」 「きつ…っ」 久しぶりのナカは暖かく、きつくフィオレオを迎え入れた。 「はぁ、奥…っ、いい…っンぅ」 気持ちがいいのか、いつにも増して中は震え、ガットの乳首もペニスも硬く尖っていた。細く締まった腰に腕を回し、乳首にキスをする。 「あぅっ!」 「ガット…これで、回復も出来ますね…。それに、これからは…その、…恋人、としても頑張ります」 チュッチュッと嬉しそうに胸にキスしながらフィオレオが告げると、ガットが不思議そうに首を傾げた。 「…?お前と誰が恋人なんだ?」 「…え?ガットと僕です」 「いつ恋人になったんだよ?」 「え?え?だって、僕のこと、『俺のもの』って…」 「…?お前は俺の魔法使いだろ?」 「はい」 「じゃあ、俺のものだろ?」 「!?」 無自覚小悪魔!! いまだ、『俺の魔法使い』から昇格せず。 フィオレオの恋の旅路は前途多難だ。 END

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