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第5話

死は近い。 そして、男が一生をかけて探し求めたモノが手に入るその時も。 「…、…、…、………………――――」 小刻みに震えていた身体は、ゆっくりと動きを止め、上下に動いていた胸は沈むように茂みの上に横たわった。 男の双眼は、ただ空を見ていた。 否、そこに空はなかった。青々しい葉がそれを阻んでいたからだ。 それでも男の瞳は空を見ていた。 それは男にしか見えない、それを阻む葉よりも青い青い限りなく続く空だ。 その日、初めて男は、深く安らかに眠った。 END

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