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第1話

九月。太陽は空のてっぺんから、残暑というには厳しすぎる熱を地上に振りまいていた。 いわゆる、新興住宅地と呼ばれる人工的に整えられた郊外の街は、平日の昼下がりということもあり、ひと気も無く、暑さの中シンと静まり返っていた。 「ああっ…」 佐倉哲生は今日も、その冷たいほどに整った綺麗な顔をしかめて、喘ぎ声を漏らした。 自分のはしたない声に苛立ち、チッと舌打ちすると、長い指のついた大きな手が伸びてきて哲生の顎をつかみ、ぐいっと振り向かせた。 黒川東吾は、行儀悪く舌打ちした哲生をとがめるように唇を合わせ、長い舌で口の中をかき回した。ゾクゾクする快感に哲生のモノは再び固くなり、彼の中に収まっていた東吾のモノも一層大きくなった。 うつ伏せにした哲生に背後から覆い被さり、彼の身体をよじらせてキスしていた東吾は、唇を離すと哲生のつやつやした栗色の柔らかい巻毛に顔を埋ずめて、片手で肩を抱き、もう片方の手で彼のモノを握ると一気に扱き上げた。 「ああっ…!あ…う…んんっ」 哲生が、東吾の手の中に白濁した体液を放つと同時に、東吾も彼の中で極まった。 「佐…倉、佐倉…っ!」 抱いている間中、名前を呼び続ける東吾の少しかすれた低い声を耳元で聞いて、ぐったりと心地よい気分になるのが哲生は好きだった。

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