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第2話

「やっぱり大学は東京に行くのか?」 あまり熱のこもっていない、素っ気ない口調で哲生は東吾に尋ねた。 住宅街の一角にある、白い洒落た一戸建て住宅の二階にある哲生の部屋は、クーラーが外の暑さとは無縁の爽やかな冷風を吐き出し、さっきまで激しく絡み合って火照った二人の身体を急速に冷ましていた。 土曜日にあった体育祭の代休である月曜日、日中親がいないからと哲生が東吾を呼び、勉強がひと段落ついたところでセックスを始めたのだった。 コトを済ませ、二人で一本のペットボトルのスポーツドリンクを分け合って飲んだ。名残を惜しむように抱きついたままなかなか離れない東吾を、「暑い」と言って哲生が押しのけると東吾は残念そうにため息をついて起き上がり、汗ばんだ身体を乾いたタオルでざっと拭き、ボクサーパンツを履いて部屋を出て行った。 濡れタオルを手に戻ってきた東吾は、全裸のままベッドに横たわっていた哲生の身体を拭き始めた。何度も哲生にキスをしながら、胸や腕、脇腹、と慣れた手つきで手際よく拭いていた時、そう尋ねられて、東吾は一瞬手を止めたが、彼と目を合わさずに頷いた。 「うん、そのつもりだ」

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