36 / 39

第36話

東吾に甘く囁かれ、哲生は彼の肩に頭をもたれ掛け、ほっとしたように目を閉じた。 2年振りに抱く哲生の身体は、離婚のストレスからやせ細っていた。 ベッドに横たえてシャツのボタンを外すと、肋骨が浮いた胸が現れた。 服を全部脱がせて裸にしてみると、腹も腰も、そして絡み合ったとき肌理の細かさに驚いた脚も、痛々しいほどに細かった。 けれども、元々儚げな哲生の雰囲気には、その痩せた身体もよく似合っていた。 まぶたや頬にキスをすると、これから東吾がくれる快感を期待してか、哲生の身体が赤く火照ってきた。 東吾が過去に抱いた男たちには、哲生よりハンサムだったり、体つきが美しい者たちが何人もいた。だが、外見の良さなど、感情の前には何の意味もないことを東吾は思い知った。 ほとんど骨と皮しかない哲生の身体を優しく愛撫しながら東吾は、自分の中に長い間押し殺していた彼への愛情がどんどんとあふれ返るのを感じた。 哲生の唇を貪りながら、自分のモノが硬く張り詰めてきていて、すぐにでも哲生に突き立てて奥の奥まで攻め立てたい思いに駆られたが、2年前、自分に抱かれて以来誰にも後ろは触られていないだろうと思い、自分を抑えた。

ともだちにシェアしよう!