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第15話

   立て、ない…動けない。    「…喉乾いた…ねぇ、お茶」    もう二度と自分から誘ったりなんかしない。久しぶりのキスが気持ちよくて言ってみたけど…だめ、もう言わない。    あの後、もう終わりだと思ったのに再び風呂に入れられ、ベッドに入り滅茶苦茶にされた。しかも、身体にある打撲の一つ一つを舐められた挙句打撲の上にキスマークにまで付けられた。痛いって言ったのに無視。多分、愛情表現。  それでも、俺を甘やかしたい朔からしたら動けない方が、いいのかも。お茶を取ってくるくらいどうってことなさそうだし。    それより、昨日の百合子さん。怖かった。睨みつけられた時、思わず声が上がってしまった。やっぱり女の人は怖い…。それに、キス…、いやいやいや、考えたくない。  エロかったんだよ…うん。顔を赤くし、枕を抱き寄せる。恥ずかしい、恥ずかしすぎる…。人前でキス、しかもベロチューとか有り得ない。    「ほら、お茶」    朔が戻ってきて、冷たいお茶を俺に渡す。コップに口をつけ飲むと、喉に流れていくお茶が染みて痛い。その元凶が今目の前にいる。じと、と見るも軽く受け流された。    ピリリと寝室に響く電子音。メール?おれのだと言われてサイドボードに乗っけていた携帯を取ると、小野山からのメールだった。あれ、おれいつ小野山とアドレス交換したっけ。とりあえず、とメールを開くと。      『From:小野山 雪姫 To:官乃木 譲   件名:なし    入院してたって、マジ?大丈夫だったか?見舞い行けなくてごめん。  あと、あの時迎えに来た人お父さんだよな。まさしく禁断!明日学校で聞かせろよ』    ………。メールのフォルダを閉じて、朔を呼ぶ。そうだった、小野山のことすっかり忘れてたけど、朔が来たから大変なことになってたんだった。    「どうした譲?」    「…朔のばか!!」    その後、3日ほど口を聞かなかったのは言うまでもない。迎えに来てくれたのは嬉しいけど、なんでこうなるんだ!      fin.

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