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第1話 「こんな展開アリですか?」
「ふぁぁー…よく寝た…」
豪快な欠伸をしながら時計を見るとちょうどa.m11時を表していた。
(なんか…昼間にしちゃ薄暗いなぁ…遂に時計が壊れたかぁ)
寝ぼけ頭でぼんやりと思った。
しかしスマホで時間を確認してみたところ、やはり画面にはa.m11時を表していたのだ。
カーテンを開けて窓の外を確認してみた…が、
(なんだ…えっ…?)
窓の外はいつもなら隣の家が見えるはずだった。しかし見えたのは鬱蒼とした木々。
しかもその木々の奥の方で、服を着て火のついた木の棒を持ち、二足歩行で歩いている獣が見えた。
(夢か…まだ俺は夢の中にいるんだな…)
そうであってくれ…と思う俺は思いきり自分の頬にビンタをかました。
「いっ……てぇっ!!!」
思いの外強くビンタをしてしまい少し涙がこぼれた。
そしてもう一度窓の外を確認してみたが、そこは、やはり木々が鬱蒼としていた。
「おっかしいなぁ…俺、ブラジルとかに来ちゃった?ブラジルのみなさんコンニチワー!」
なんて古いギャグをかまして自分の心を落ち着かせようとしたが無駄だった。
(そうだ…!そういえば、昨日母さんが何か言ってたような……思い出せー!!)
確かに昨夜、夕飯を食べていると急に母が深刻そうな顔をして何か言ってきたのだ。
母さんは少し変わっている。そこはまた、おいおい話すとして、
昨日の話も結構ぶっ飛んだことを言っていたのでスルーしてしまっていた。
(なんだっけ…異世界がどーのこーのって…)
(ん? 異世界…、? は??)
そんな事あるわけがない。
しかし、今いる所が異世界であるとしたら、母さんのおかしな話も今の状況も全てが合致する。
「………えぇ!?異世界!!?嘘だろ…!!」
目が覚めると俺は異世界に飛ばされてしまっていた。
「こんな展開、漫画かよ……」
第1話 「こんな展開アリですか?」fin.
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