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第2話 「腐男子高校生」

段々と冷静になってきた。 今の状況で考えてもわかるわけが無いので行動に移すことに決めた。 自分の部屋を出て家中を探してみたが母さんのいる気配は無かった。 「……お腹空いたなぁ」 深刻な状況でも自分の持ち前の気楽さと適応能力のおかげで不安はなかった。 (なんかいいように自分でナレーションしてるけど、悪くいえばアホなだけだぜ…) ーーー・・・ー 腹を満たし服を着替え、必要な物をリュックに詰め、唯一家で武器になりそうな虫取りあみを持って家から出た。 「…やっぱり家に戻ろうかな…」 先程より日が出てきたのかだいぶ明るくなったが、やはり木々に囲まれているので薄暗いのだ。 「いくら俺がアホだと言っても流石にこれは…」 確実にこの森は危険だ、と俺の本能が訴えかけている。 (いやいや、でもこのまま家にこもってても駄目だ…よな?) と悩みに悩んだ結果、森を探索することを決心した。 (よーし、こうなったらこの技を使うしかねぇ) 「進化系ゴキブリほふく前進!!」 その名のとうり、ゴキブリのようにカサカサとほふく前進しながら進むという技だ。 この技は敵に見つかりにくい上に早く移動ができる!唯一体力を消耗するのが難点だが。 というのは冗談で、普通に歩いた。 (俺は体力無いことにかけては自信があるんだな〜) とか思っているうちに、だいぶ進んだ。 「終わりの見えない道を進むのってこんなに大変なんだ…」 1、2時間は歩いただろうか…。いや、正確に言うと30分くらいしか歩いてないだろう。 しかし体力のない俺は少し休憩をとることにした。 「くはーっ、お茶うまー!!」 冷たい麦茶が乾いた体に染みわたった。 「さ、もうひと頑張り!」 自分を自分で励まし、進もうとしたそのとき、 「きゃーーーー!!誰か…!!!」 かなり大きな叫び声が聞こえた。 この声の大きさだと自分とはそんなに距離は離れていないだろう。 しかし、こんなわけのわからない世界で、考え無しに行動することは危険であった。 (っ…どうすれば!!いや、普通主人公だったら助けに行くんだろうけど…!!俺はただの腐男子高校生だし…!!) なんて少しおかしなことを考えながら体は叫び声が聞こえた方に向かっていた。 (わーーー!!どうすりゃいいんだ!!) 第2話 「腐男子高校生」fin.

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