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第24話
『ヨメサマ?』
小さな子供が僕に向けて言っている。
『ヨメサマ デ ショウ?』
今度は僕の目の前に来て言った。
『ヨメサマ?』
近寄って来た子供達が口にするのは「ヨメサマ」と言う言葉。
僕に言ってるんだよね。
「ごめんね・・僕は君たちが言う『ヨメサマ』じゃないよ」
『キコエルノ? ボクノコエ・・・』
「聞こえるけど・・・」
『マチガイナイ ヨメサマ ダ。ミツケタ ミツケタ ヨメサマ ミツケタ』
「だから、違うんだって・・・」
そんなやりとりを少ししたところで、通りかかった兄さんに声を掛けられた。
「タクミ?」
「あっ、兄さん」
「誰と話してるの?」
「この子達が・・・・・・」
そう言って振り返った僕。
「ん?子達?」
兄と会話をした少しの間だった。
振り返ればそこにはもう子供達の姿はなかった。
???
「タクミ、大丈夫か?練習に熱心に通ってるのはいいが、こんを詰めなくてもいいんだよ」
「えっ」
「先程、須田先生の所に寄ったんだ」
「そうなんだ」
「そうしたら、今しがた帰ったって聞いて追いかけて来たんだよ」
兄はニコリと笑んで答えたのだった。
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