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4.事件が起こりまして
何故か僕は最初の日に連れてこられた、玉座のある部屋に繋がる大きな扉の前に連れてこられていた。
「コーヤマさま、大変申し訳ないのですがもう貴方しかいないのです」
宰相のセレスはそう言って、何故僕がここに再び連れてこられたのか説明した。
話によると、魔力がある程度溜まったので再び異世界から王を召喚したのだという。その男はいかにもモテる風貌をした男で、自分が王だと聞くと僕と同じようなことを言ったらしい。そして例のごとくこの世界には男しかいないことを告げると激高したのだという。
「男のケツを犯すなんぞ冗談じゃねぇ! 何がなんでも女を連れてこい!」
と周りにいた人々を殴ったり、蹴ったりしはじめたらしい。そこでどうして僕が呼ばれたのかというと、誰かが「天使さまであれば王もご満足されるはずです!」と僕の存在を知らせてしまったのだとか。すんごく余計なお世話じゃないかと冷汗が出てきた。
「な、なんで……キレイな人いっぱいいるじゃないですか……。女連れてこいって言ってる人に僕とかありえないですよっ!」
僕は自分の容姿を正しく理解している。会社でぎりぎり注意されないラインまで伸ばした前髪はこちらに来て切られてしまったが、こちらの世界の人たちが僕を「可愛い」というのは全く理解できない。そんなに王が必要ならこの世界の人たちだけでどうにかするべきだ。
……そうは思っても小心者の僕にそんなことが言えるはずもなく、
「そ、そんな乱暴な人に殴られたりしたくないですよ……」
と上目遣いで訴えるのがせいぜいだった。セレスはそれに一瞬うっとつまったようだったが、
「天使さまは我々にとってとても大事な存在です。王といえど決して暴力など振るわせはしません!」
一目だけでいいのです、と訴えられるとそれ以上嫌とは言えなかった。ああもうこれだからNOと言えない日本人は……。
透け透けの膝丈ぐらいしかない総レースの寝巻なんて僕に似合うはずがないのに、ずっと着せられているからもう諦めの境地。だけど、
「こ、この格好は嫌だ!」
とさすがに訴えたが、「とても愛らしいですよ」と言われ無情にも大扉が開いてしまった。
「は? ソイツが『天使さま』だって?」
「はい、こちらがこの世界の者たちを虜にしております天使さまです」
玉座に行儀悪く座っている男を見て、僕は震えあがった。なんとその男は、僕に毎日嫌みを言ったり時には椅子を蹴ったりしてくるパワハラ上司だったのだ。
「おう、光山。『天使さま』なんて持ち上げられて随分いい気になってるじゃねぇか」
かつての上司の言葉にふるふると首を振る。この男に怒鳴られると萎縮して、それまで多少は形になっていた仕事のミスが増えるようになったのだ。僕にとってとんだ疫病神である。
「王とコーヤマさまはお知り合いでいらっしゃいましたか?」
「ああ、コイツは全く使えない部下でよ。それが『天使さま』だって? なんのドッキリだよ」
僕は怖くてもう口を利くこともできない。天使だなんて僕が冗談だと思いたいくらいだ。
「ま、天使なんて言うぐらいだからアッチの具合はいいのか? 全くいつも俺のことチラチラ見てると思ったら実はゲイだったなんてな!」
いくら僕がゲイでもこの男みたいな奴はお断りだ。ふるふると首を振り続けていると、
「こい。ケツの穴の具合をみてやるよ」
と顎をしゃくられた。
こわい、こわい、この男の相手は嫌だ。ここの人たちはイチモツは大きいけれど僕のことを気遣って抱いてくれた。ちゃんと僕の快感を引き出そうとしてくれていたけどこの男がそんなことしてくれるはずがない。
無意識に後ずさった僕が気に食わないと思ったのか、男は玉座を下りて逃げようとする僕を素早く捕まえた。
「てめえ! 俺から逃げようとするなんざ百年早いんだよ!」
「やだっ! やだあああっっ! こわいっ! セレスさん助けて!」
このままこの男に犯されるのがどうしても嫌で、僕は近くにいたセレスに助けを求めた。
「このっ! 生意気なっ!」
上司が僕に手を振り上げた途端、ガラガラガッシャーーンッッ!! という、地を揺るがすような大きな音がしたかと思うとザーーーーーーッッ!! と激しく雨が降る音が聞こえ始めた。
「うわっ! なんなんだよ!?」
「天使さまを放しなさい! 貴方のような人が王であるはずがないっ!!」
驚いた上司が手を止めた時、なんとセレスが勢いよく突っ込んできて、上司を殴り飛ばした。
「……え?」
「天使さま、お怪我はありませんか!? ああ、やはり召喚の儀など止めればよかった。王などやはり必要ありません。天使さまさえいてくだされば十分です!!」
僕をきつく抱きしめながらセレスが言う。僕はただ呆気にとられることしかできなかった。
それから、上司は牢屋に入れられた。
僕はまた元の部屋に戻され、お詫びと称して僕自身とおまんこを散々いじられてしまった。ひくひくと震えるおまんこを太い指三本でいじられるのも好きだが、やっぱり男性自身で突きまくられる方が僕は好きだ。恥じらいながらもそう言うと、セレスは本当に嬉しそうに笑んで、僕のリクエストに従い文字通り朝までずこばこと突きまくってくれたのだった。
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