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第73話
美味しそうなにおいがする
腹減った…
「三条。
おい、起きろ。」
ん…?
「はーるーちゃーん。
起きないと悪戯すんぞー。
それともされたくてタヌキか?」
……そうだっ!
ばっと目を開けると綺麗な顔がこちらを見ていた。
急に照れ臭くなる。
寝顔もそうだか、淫靡な雰囲気にのまれはしたない姿を晒してしまった。
しかも3回目。
三条は顔を隠すように前髪を伸ばした。
なるべく顔を見られなくない。
「おはよ。」
「…おはようございます。」
また頭を撫でられると腹の虫が鳴き、別の恥ずかしさにまた顔が熱くなる。
なんで今鳴るかな…
「ははっ。
若けぇなぁ。
一人だと味気ないから付き合えよ。」
断ろうとするも腹の虫に催促される。
自分の分も作ったと言われると帰るに帰れなくなってしまった。
いくら酷い事をしたと言ってもこうして恩義を裏切るのはなんとなくいけない気がする。
母親に夕食はいらないと連絡をして、夕食をご馳走になった。
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