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第74話
「あれ?
三条が朝からコンビニなんて珍しいな。」
学生で混雑したコンビニ内で声をかけてきたのはマフラーに顔を埋めた田上だった。
「おはよう。
優登が飲み物のおまけのフィギュア集めてて手伝ってんの。」
「はよー。
んじゃ俺も貢献するわ。
てかさ、聞いてくれよ。
今さっき吉田から、外寒い?コートいる?まだふとん中だけど!って写真付きで連絡きたんだけど!」
「ふはっ。」
家近い奴はこれだからとぶつくさ言いながらパンと飲み物を取ってレジへ並ぶ。
そういえばさっき携帯が連絡を知らせていたが友人だったのか。
会計を済ませ、あたたかなコンビニ内から出ると寒さに身が縮こまる。
白い息は吐いてるとマフラーに顔を埋めたままの田上と目が合った
「ん?」
「あ、いや、三条最近なんか元気ないって言うか、どっか上の空だったから。
元気になって良かったなって。」
長岡の事で悶々としていたいたのは確かだ。
けれど、普通に変わらず接していたつもりだった。
田上は高校で出来たはじめての友達。
明るくて優しくて実際末っ子なだけあって甘え上手。
大切な友達。
自慢の友達。
心配かけたと罪悪感が湧く一方、仲良くなれて本当に良かったと感謝の気持ちでいっぱいになる。
照れた様に笑えば釣られてふにゃりと表情を変えた。
田上と友達になれて良かった
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