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第85話
長岡の部屋の前で呼び鈴を押そうとしてはっと我に返った。
なんて言うつもりだったんだ…
抱いてくれと強請る?
慰めてくれと哀願する?
なんてあさましい。
急に恥ずかしくなり帰ろうと背を向けると急に腕を引っ張られた。
う"ッ、いた…
「どこ行くつもりだよ。」
まただ。
ドアに背中を押し付けられ痛みに顔を歪める。
長身な長岡に腕を持ち上げられ背伸びをする様な不安定な体制になった。
「……っ」
「目を見ろ。
逸らすな。」
「……」
「なぁ、何しに来た。」
膝を割られ太股で股間をすりすりと刺激される。
踵を下げれば自力で潰れてしまう。
真っ直ぐに雄の目が俺を見下ろしている。
「お、俺…俺……」
ニヒルな笑み。
「俺…」
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