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第120話

父さんは帰りが遅くなるらしく先に3人で夕食を済ます。 家ではよくある事だ。 「…ねぇ、母さんはなんで父さんと結婚したの?」 三条の一言に、一瞬食卓から音が消えた。 優登が隣に座る兄に、真ん丸な目を向けている。 「母さん綺麗だし料理も上手いし、モテたんじゃないの?」 息子からの突拍子もない質問に、そうねと一瞬笑った母さんの顔は息子から見ても少女の様に可愛らしいものだった。 しっかりとこちらを見据えたその目は優登に似て真ん丸だ。 「お父さんしかいなかったのよ。」 一等綺麗な笑顔で答えを出された。 「父さんしか? なんで?」 不思議そうな顔をして問う優登に大人になったら解るよと言い、煮物に箸を伸ばす母。 「煮物上手に出来たから優登も食べてね。」 「うん。 うん?」 大人になったら… 俺にも理解出来るか そう思えるか そんな日がくるだろうか

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