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第121話

自室の机の上に、参考書やノートとは分けて単行本が置かれている。 長岡から借りた小説。 ページをめくる度に長岡の顔が思い浮かんだ。 だらしなく脚を投げ出す姿も、髪を梳く様に撫でる癖も、その冷たくて大きな手も。 目の前にいるかのようにはっきりと思い浮かぶ。 ページが進む度に深くなる。

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