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第145話
「…さむ……」
寒さに目を覚ますと、炬燵で寝落ちていたらしい。
反対側では優登が冬休みの宿題をしている。
クリスマス当日、雪が降る中デートに出る両親を見送って課題を済ませたまでは覚えているがどの位寝ていたのか定かじゃない。
炬燵から出ていた肩が寒い。
ソファにかけてあるブランケットに包まり何かあたたかい物をと台所へ向かった。
冷蔵庫を開けて覗き込む。
カフェオレか紅茶か。
優登はココアの方が良いか。
冷蔵庫から取り出した牛乳を小鍋で温めながらその炎を眺める。
青く燃え上がるそれは赤よりも高温だ。
夢の筈なのに撫でられた感覚がまだ残っている。
ココアを入れたマグに牛乳を注ぎ入れ良く掻き混ぜる。
ぐるぐるぐるぐる
まるで今の自分みたいだ
ぐるぐるぐるぐる
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