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第146話

「優登、ココア飲む?」 「ありがとう! あったけぇー。 あ、母さんから連絡来たよ。 もうすぐ帰って来るってさ。 ゆっくりすれば良いのに。」 「そっか。 あぁ、こっちにも連絡入ってる。」 天板に置きっぱなしだった自分のものにももう少しで帰るねと母親から連絡が入っていた。 炬燵に入り弟と同じものを一口含む。 夢で聴いた声がまだ頭に響いていた。 雪は止む事を知らず降り積もる。 窓から見える空は暗く狭い。  「   」 まただ。 鼻歌を歌いながら宿題を済ます弟。 甘いココアのにおい。 「……あのさ、兄ちゃんちょっと出掛けて来ても良いかな…?」 「良いよ。 俺もう4年だよ。 みんな心配し過ぎ。」 「ありがとう…」 「兄ちゃんもゆっくりして来いよ。 母さん達に言っとくから。」 あどけなく笑う弟の顔はずっと大人びて見えた。 小さいと思っていた弟。 だけど、そうじゃない。 俺もちゃんと成長出来ているだろうか。

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