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第190話

「はーるーとーくんっ!」 「うわっ!」 人の疎らな駅構内。 約束の初詣へ行く為に電車の乗り換えを待っていた三条は、のしっと背中に重みを感じて振り返る。 背中には、田上がへばり付いていた。 三条の声に数人がこちらを伺う。 「あけましておめでとー。 三条、また背伸びた?」 「あけましておめでとう。 俺を風避けにするなよ。」 「ははっ、バレた?」 だってさみぃじゃんとマフラーに顔を埋めて田上は隣に並ぶ。 24日に寂しくクリスマス会をしようと話はあったものの言い出しっぺの田上が風邪をひき流れ、10日ぶりに会った。 元気になったと連絡はあったが実際に会ってその顔を見て、安堵する。 暫くすると大きな音をたてて入り込んで来た電車に乗り込んだ。 車内は暖房が効きていて少し汗ばむ。 この温度差に体調を崩してしまうからこの季節の体調管理は難しい。 年末年始のテレビ番組や、くだらない話をしながら次の駅へと向かう電車に揺られる。

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