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第230話

テストの束を抱え準備室の扉を開けるとコーヒーの香ばしいにおいがふわりとかおる。 「お疲れ様です。 沢山ですね。」 おっとりした声に苦笑を浮かべ頷くしか出来なかった。 試験監督を終え準備室へと戻って来ると、現代国語に古典と隣席の亀田より量の多いテスト用紙の山が出迎えた。 テストが明けた生徒達は疲れ果てた顔、すべてを出し切り晴れやかな顔で帰路に着いている。 先に置かれていたテストの山の隣に更に束を置くとやっと椅子に座れた。 一息付くとペン立てから赤ペンを取り出し、テスト用紙を1枚目の前に置く。 採点は確かに好きだ うん 採点のバイトをしてたくらいだ だが、それとこれとは少し違う。 小さく息を吐き出し早速赤ペンを解答用紙に走らせた。

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