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第259話

風呂に入ろうと服を脱いでいると鏡に映った自分が目に入った。 無毛なうえ、キスマークと噛み痕が身体中を彩っている。 自分で見てもいやらしい。 癖なのだろうか。 薄く皮の剥けたそこを指でなぞるとヒリヒリと痛む。 その痛みさえ愛おしいと思ってしまうのだから、自分も相当変態だ。 流石に首筋は避けてくれている様だが体育の着替えが気になる。 中にシャツを着て行けば隠せきれるだろうか。 キスマークは鎖骨ギリギリにもあった。 鏡に映る貧相な身体。 女の子の様に柔らかな身体でもない。 骨張った身体。 それでも、 こんな身体でも長岡は自分を好いてくれる。 コンプレックスばかりのこの身体。 でも、ほんの少し、自分の事が好きになれた気がする。

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