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第260話
テストも無事返却し終わり特色化選抜の申込書が次々と届きはじめる頃、3学年は自由登校となり校内には1、2学年のみになった。
しんと静まり返った3年生教室に何処か寂しさを感じる。
3学年教諭達は受け持ちの授業以外に事務作業や授業案を纏めたりそれなりに時間はあるが、長岡はそうはいかない。
3学年の受け持ち分時間は出来たが、定時で帰れるかと言ったらその出来た時間にどれだけ頑張ったかにかかっている様な気がしてつい肩に力が入ってしまう。
「根の詰めすぎは身体に良くないですよ。
休憩も大切です。」
穏やかに笑う先輩教諭はどうぞとキャラメルを手渡してくれた。
親子程歳の離れた亀田はこうしてよく気を配ってくれる。
そんなに根を詰めていただろうか。
いただきますとキャラメルを口に入れると懐かしい味に少し楽になった気がする。
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