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第262話
なんとなく落ち着かないのは寂しい男の性だろう。
ソワソワする吉田を横目に弁当のからあげを口に運ぶ。
チーズの入ったたまご焼きも詰まっていた。
今日は好きなおかずばかりで嬉しい。
「無駄に緊張するわ。
知佳ちゃん以外から貰えたらどうしよう。」
「ねぇだろ。」
「あ、チクる?」
「お、いいねぇー」
「お前らひでぇ!
いや、てか、受けとらねぇし!」
パンを頬張りながら頑固拒否!と意地を張る吉田をからかい、笑い合い賑やかな昼休みを過ごす。
教室内は笑い声やゲームに熱中する音が溢れていた。
「三条、田上、こそどうなんだよ。」
「ゼロに決まってんだろ。
聞くな!」
あたたかな教室の窓を霰が叩いている。
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